- 2024-7-17
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- EnBW, LevertonHELM, カーボンニュートラル, リチウム, リチウム化学品, リチウム塩, 再生可能エネルギー, 地熱発電所, 塩化リチウム溶液, 水酸化リチウム, 炭酸リチウム, 発電ポートフォリオ, 直接リチウム抽出法(DLE), 電池用正極材料
ヨーロッパ最大級のエネルギー供給会社である独EnBWと、リチウム化学品の製造を手掛ける独LevertonHELMは、2024年6月21日、地熱発電所の熱水から純度99.5%以上の炭酸リチウムの生産に成功したと発表した。
EnBWによれば、ドイツ南西部のバーデンヴュルテンベルク州の地熱発電所で排出される熱水は、リチウム含有量が非常に高い。そのため同社は、発電所の副産物としてリチウムを地域で抽出する絶好の機会と考えている。
リチウム抽出のプロセスは、EnBWが地熱発電所の熱水から直接リチウム抽出法(DLE)によって塩化リチウム溶液を抽出し、LevertonHELMがイギリスの施設で精製する。この過程で得られたリチウム塩の品質は、電池用正極材料に直接使用できるレベルだという。
今回の成功を受け、両社は緊密な協力関係を継続することに合意した。共通の目標は、バッテリーグレードの炭酸リチウムと水酸化リチウムの持続可能な生産をさらに進め、エレクトロモビリティとエネルギー貯蔵に使用する地域資源を開発することだ。
EnBWの計画は、2030年までに総額400億ユーロ(約6兆9千億円)の投資を予定し、その約90%はドイツ国内での投資となる。
同社は、早ければ2025年末までに再生可能エネルギーが発電ポートフォリオの半分以上を占め、2028年末までに石炭発電を段階的に廃止して、2035年までにカーボンニュートラルを達成する計画だ。
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