宇宙空間の3Dマップを作成する宇宙望遠鏡「Euclid」、打ち上げに成功

欧州宇宙機関(ESA)は2023年7月1日、宇宙望遠鏡「Euclid」の打ち上げについて、米SpaceXのFalcon 9を使って成功したと発表した。Euclidの特徴は、先進的な望遠鏡と光学/近赤外線の計測装置、過去最大かつ最も精密な宇宙空間の3Dマップを作成する能力だ。

本ミッションの目的は、宇宙に存在すると考えられていながら理解が進んでいない2つの要素、ダークマターとダークエネルギーの解明にある。これらの役割を理解し、「宇宙は何によって構成されているのか」という根本的な問いに答えようとしている。

Euclidが目指す場所は、太陽と地球の均衡点である「ラグランジュ点L2」だ。L2点は、太陽とは反対方向に、地球から約150万km(地球と月の距離の約4倍)の距離にあって、天体観測に理想的な位置とされる。

Euclidが作成する3Dマップの用途は、宇宙空間における物質の分布、そして宇宙が膨張する時間軸の過程の解明だ。これにより、重力の役割への理解を深めると同時に、ダークマターとダークエネルギーの性質の解明に向けた手がかりを探る。

Euclidは今後、約1カ月の飛行を経て、L2点周辺の広い軌道の挿入点に到達する。その後、計測機器の試験や校正、ルーチン観測の準備を2カ月間実施する。そして、約6年の観測期間をかけて、天空の3分の1を調査する任務を開始予定だ。

関連情報

ESA – Euclid: preparing for launch
ESA – ESA’s Euclid lifts off on quest to unravel the cosmic mystery of dark matter and dark energy

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