鉄とガラスからなるグリッドシェルの形状デザイン手法を開発――網目2種のメリットを両立 東京大学と米Thornton Tomasetti

東京大学は2024年7月23日、米Thornton Tomasettiと共同で、鉄とガラスからなるグリッドシェルの形状デザイン手法を開発したと発表した。鉄とガラスからなるグリッドシェル構造の形状デザインに有用な微分方程式を新たに導出。従来の計算機を用いた解法で容易に解けることを示した。

鉄とガラスからなるグリッドシェルは、網目(グリッド)状に鉄の線材を配置し、全体をガラスパネルで覆った構造となっており、現代的で軽やかな印象を特長とする。

グリッドシェルを設計するにあたっては、主曲率方向に沿った網目を選ぶと全体を平坦なガラスパネルで覆えるため、施工がしやすい。一方で、主応力方向に沿った網目を選ぶと力学的に合理的な構造が得られ、建設材料の低減が可能となる。これらを同時に選べないことが課題となっていた。

両者は今回、対称な双線形型微分方程式を用いて、上記の2種の網目が一致する条件を表現できることを発見した。2種の網目を揃えることで、双方の利点を兼ね備えた構造の設計が可能となる。

両者は、今回導出した微分方程式を「揃える」条件と名付けた。今後、スパン20mレベルの大空間構造への応用が期待される。

なお、両者は2022年にも連続なシェル構造(鉄筋コンクリートで造る薄い曲面構造)の形状決定手法を発見している。今回導出した微分方程式は、連続なシェル構造向けの微分方程式と同じ形式、同じ計算手法で解くことができるものとなっている。

連続なコンクリートシェルのCGによるレンダリング

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