- 2024-7-30
- 技術ニュース, 電気・電子系
- 3D映像, 3次元ビーム走査システム, JVCケンウッド, ガルバノスキャナー, ホログラフィックレーザー, ボリュメトリックディスプレイシステム, 体積映像, 可変焦点距離レン, 可変焦点距離レンズ, 宇都宮大学, 研究
宇都宮大学は2024年7月29日、JVCケンウッドと共同で、インタラクティブな体積映像を描画できる「ボリュメトリックディスプレイシステム」を開発したと発表した。
ボリュメトリックディスプレイシステムは、画素を実世界に体積的に生成することで、3D映像を描画する技術だ。ヘッドマウントディスプレイなどを装着しなくても、全方向から複数人が同時に3D映像を見ることができる。
同大学らは、従来からフェムト秒レーザーによって生成された画素と空間光位相変調デバイスを利用した、ホログラフィックレーザー描画法によるボリュメトリックディスプレイを開発してきた。しかし、この方法では映像サイズを大型化することが困難だった。
今回の研究では、2光路のレーザーが連携して映像描画する光学システムと、その描画法を開発。高い画素密度で手のひらサイズの体積映像を描画することに成功した。
同光学システムは、2つのホログラフィックレーザー描画光学系から構成。各光学系は、ガルバノスキャナーと可変焦点距離レンズで構成される3次元ビーム走査システムによって、10×10×10cmの体積中に発光点を3次元的に生成する。また、描画パターンをシステムに入力すれば任意のパターンを描くことが可能だ。
さらに、今回外界の動きを認識して体積映像描画に反映できるシステムを構築。ユーザーがリアルタイムで操作できるインタラクションを可能にした。
今後は、ビーム走査と空間光変調器による集光点設計の連携描画を可能にすることで、より複雑な形状を描画できるボリュメトリックディスプレイシステムの実現を目指す。