Bugattiの新世代ハイパースポーツカー向けに「史上最強のエンジン」を開発 英Cosworth

自動車パワートレイン技術の世界的リーダーである英Cosworthは2024年6月21日、Bugattiの新世代ハイパースポーツカー「Tourbillon」のために開発した、これまでで最もパワフルなハイパーカー用エンジンを発表した。

Cosworthは2021年に、Bugattiから最新のハイパースポーツカーである「Chiron」の後継車用に新しいエンジンの設計と製造を依頼されたが、1000馬力を発揮できる大排気量、高回転のV16という、高い要求をされるとは予想していなかったという。これは1930年代以降に大きく発展した自動車業界でも大量生産されたことのないエンジン構成であり、近年になってニッチな車両のプロトタイプとしてほんの一握りが作られただけだった。そのため、最初の詳細設計からノーザンプトンの本社で最初のV16エンジンを動かすところまで仕上げるのに13カ月の時間を要した。

こうして生まれたのが最高回転数9000rpmに達する8.35Lエンジンだ。このエンジンにCosworthは、90度のバンク角とドライサンプ方式、クロスプレーンクランクを採用した。チタン製コネクティングロッドやカーボンファイバー製インレットプレナムなど、エンジン全体の重量を最適化するための工夫が凝らされ、総重量はわずか252kgとなっている。クランクシャフトの全長は900mmで、1本のビレットから作られており、エンジンの全長は1mを切る。

Cosworthのパワートレイン担当マネージングディレクター、Bruce Wood氏は「V16、特にこの8.35Lのような大排気量のエンジンを製造するのは容易なことではありません。クランクとカムシャフトの長さは1メートル近くあり、ねじり荷重を克服するために革新的な設計技術を採用しました」と語る。また、「このエンジンを見て最初に感じるのはその大きさでしょう。しかし、私たちはこれまでの経験を生かして設計に高い公差を持たせることに成功し、質量と重量を削減できました」と述べている。

関連情報

Cosworth’s most powerful naturally aspirated hypercar engine unleashed | Cosworth

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る