有毒物質PFASを水から除去する技術――3Dプリントされた多孔質材料を使用

英バース大学の研究者らは2024年7月31日、セラミックインクを使用して作成した「モノリス」と呼ばれる多孔質材料によって、水に含まれる有害物質PFAS(ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)を75%除去する方法を発表した。

PFASは、生殖、発育、循環器系、糖尿病などの健康問題を引き起こすことで知られる、水道水などに含まれる有害物質だ。また、分解に要する時間が非常に長く、場合によっては千年以上かかることから「永遠の化学物質」と呼ばれている。PFASの発生源は、焦げ付き防止加工が施されたフライパン、レインコート、塗料、布地、消火用発泡体など、撥水性を持つ家庭用品が多い。

研究者らによれば、セラミック酸化インジウムを注入したインクを使用して、3Dプリントでモノリスを作成することは比較的簡単だ。3Dプリンターからインクを押し出し、チューブから歯磨き粉を絞り出すように格子状に成形して、約4cmのモノリスを作成する。

このモノリスを水中に投入すると、酸化インジウムはPFASと結合する。化学物質は直ちにモノリスに付着し、3時間以内に水から除去できる。これまでの試験結果から、水からPFASを75%除去できることがわかっている。

研究チームはさらに改良を加え、プロセスの効率の改善を目指している。モノリスのテストでは、繰り返し使用することで効果が高まるという驚くべき結果が出ており、研究者たちはさらなる改良を進める考えだ。

関連情報

Health-threat ‘forever chemicals’ removed from water with 3D-printed ceramic ink

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