学生が製作した自律型オフロード救助車両を発表――米陸軍も注目

米クレムソン大学は2024年8月13日、ミシガン州で開催されたGVSETS(Ground Vehicle Systems Engineering & Technology Symposium)で、学生が製作した最新の自律型救助車両「Deep Orange 15」を発表した。

Deep Orange 15は、クレムソン大学の学生車両プロトタイプ教育プログラム「Deep Orange」の一環として製作されたものだ。アメリカ陸軍DEVCOM地上車両システムセンター(GVSC)が主要なスポンサーとなっているプログラムで、自動車工学の修士課程の学生が、業界の専門家と協力して顧客のニーズに基づいた戦略を練り、独自のコンセプトを打ち立て、車両をゼロから作る。今回発表したのはその15台目の車両となる。

高速でオフロード走行可能な、先進的な半自律型の捜索救助車両であるDeep Orange 15は、セミアクティブサスペンション、革新的な担架積載機構、高電圧バッテリー、被災者を支援する回転式座席などを備えている。

Deep Orange 15の目的は、自然災害発生時の救援や偵察、オフロード地形でのレスキューなどのミッションの遂行だ。例えば、ハリケーンや地震などの自然災害が発生し、多くの人が緊急の危険にさらされた場合、外傷が発生してから1時間以内に治療を開始することで生存率が大幅に上昇する。Deep Orange 15はドライバーを含む2人の救助者を乗せて、この「ゴールデンアワー」のうちに現場に到着する必要がある。そして、災害によって変化した地形のデジタルマップを作成し、負傷者と1人の救助者を乗せて自律的に帰還することが求められる。ドライバーは現地に残り、救助を続けることができる。

また、脱水症状を起こしたハイカーが足を骨折して岩場に取り残され、治療を必要としているようなケースでは、Deep Orange 15は岩場を通ってハイカーのもとへ行き、自律走行で元の場所に戻らなければならない。復路では、ドライバーはDeep Orange 15の後部で救助用担架に乗せられたハイカーを助けるという想定だ。

同大学によれば、Deep Orange 15は今後、このような困難な地形における自律走行車の複雑な動的モデリングの検証ツールとして、またオフロード車の先駆的な制御アルゴリズムや、エネルギー管理戦略のための最新プラットフォームとして機能するという。

関連情報

Clemson University unveils newest student-built autonomous offroad rescue vehicle | Clemson News

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