電界を発生して傷を早く治す「電子絆創膏」

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American Chemical Society

皮膚には優れた自然治癒力があるが、時として、創傷の治癒に長い期間がかかったり、全く治癒しない場合があり、人は慢性的な痛みや感染症などのリスクにさらされることがある。

米ウィスコンシン大学の研究者達は、外傷の上に交流電界を発生させ治癒を助ける外部電源不要の「電子絆創膏」を開発した。ラットを使った実験では治癒にかかる時間が大幅に短縮したことが確認されている。研究成果はアメリカ化学会の『ACS Nano』ジャーナルに、2018年12月12日に掲載されている。

これまでも電気的刺激が皮膚の創傷の治癒に役立つことは知られていたが、電気療法のために電界を発生させる装置は概して大型で、長期間の入院治療が必要になる場合がある。

同学のXudong Wang教授率いる研究グループは、テフロン、銅ホイル、PETのシートを重ねて、皮膚の動きによって発電するウェアラブルな「ナノジェネレーター」を作った。この小さな発電機は、わずかな皮膚の動きをも電気パルスに変換し、傷の上に置かれた電極を介して微弱な電界を発生させる。そして、皮膚組織の再生を促進する電子絆創膏として機能する。

研究チームはラットの背中の傷の上に置いて実験したところ、通常の包帯では傷がふさがるまで12日かかったのに対し、この電子絆創膏を使った場合わずか3日で傷がふさがった。

研究チームは、電界がもたらす線維芽細胞の遊走、増殖および分化の促進によって創傷治癒が早まると考えている。またこの技術は、創傷治療のみならずレイノー病などの疾患にも有効な可能性があり、水痘やニキビ痕、ケロイド痕など、美容整形への応用も考えられるとしている。

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