グラフェンの特性を利用した技術を用いた、脳―コンピュータのインターフェース手術を実施 INBRAIN Neuroelectronics

スペインのINBRAIN Neuroelectronicsは、2024年9月26日、脳腫瘍の切除手術を受けた患者に対して、皮質インターフェースを世界で初めて使用したと発表した。同社の技術は、脳とコンピュータを繋ぐ「brain-computer interface therapeutics (BCI-Tx)」と呼ばれる。

同社のBCI(Brain Computer Interface)技術は、マイクロメートル単位の精度で健康な脳組織とがん脳組織を区別することができたという。

BCIプラットフォームは、単層の炭素原子からなるグラフェンの特性を利用する。グラフェンは、科学的に知られる材料の中で最も薄いが、鋼鉄よりも強く電子的特性と機械的特性を持つことから、理想的な素材だと同社は説明している。

今回の執刀医によると、グラフェンは、従来の材料では信号の忠実性が確保できない領域で脳の活動を捉えることができた。この特性は、患者の運動、言語、認知といった機能的能力を維持しながら、高精度の切除を行うために不可欠だ。

同社の研究は、米国食品医薬品局(FDA)から、パーキンソン病に対する「ブレークスルーデバイス指定」を受けた。本技術は、グラフェンの特性を利用して、超高信号分解能と適応的な神経電子療法を実現し、神経ネットワークのバランスを整える。

ヒトを対象とした同社初の研究は、8~10名の患者を対象として、主にグラフェンを脳に直接接触させた場合の安全性を実証する予定だ。また、覚醒状態と睡眠状態の両方で脳の機能を解明する上で、グラフェンの素材としての優位性を立証することも目的としている。

関連情報

INBRAIN Neuroelectronics Announces World’s First Human Graphene-Based Brain Computer Interface Procedure | Business Wire

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