熱を発し自己修復もするサステナブルなコンクリートを開発――道路の除雪や除氷に期待

米ミシガン州立大学は2024年10月18日、熱を発し、自己修復可能な、サステナブルなコンクリートを開発したと発表した。

コンクリートはアメリカで2番目に多く消費されている材料だ。強度と耐久性があるため、道路や歩道に広く使用されているが、コンクリートの生産が二酸化炭素排出量の8%から10%を占めているという問題がある。

また、水の凍結と融解が頻繁に起こるとコンクリートにひび割れが生じたり、除雪車が表面を傷つけたりするため、高額な道路補修や通行止めが必要となる。道路や歩道の氷を溶かすために凍結防止塩が使用されることも多いが、塩の腐食性がコンクリートを傷める上に、残った塩分は最終的に地下水に流れ込むため、環境への懸念もある。

今回開発された自己発熱コンクリート材料は、従来の素材よりも多くのエネルギーを蓄えられるものだ。気温が氷点下近くまで下がると、コンクリートが蓄えたエネルギーを熱として放出するため、道路や歩道の氷や雪を除去できる。さらに、コンクリートが効果的に自己修復するように設計されており、人間の髪の毛ほどの細いひび割れを自己修復できる。

研究では、この材料が自動車の重量や往来による圧力に耐えられるかどうかを判断するため、材料の柔軟性をテストした。その結果、このコンクリートを5〜8cmの厚さの層にすれば、その下のコンクリートを保護し、発熱と自己修復の特性を維持できると分かった。

ミシガン州立大学工学部助教のQingxu “Bill” Jin氏は、「この技術は、除雪や融雪の選択肢が限られている支援不足の地域や農村地域向けの解決策になる可能性がある」と述べた。

関連情報

MSU engineers create bendable, self-heating and healing concrete | MSUToday | Michigan State University

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