効率27.3%のシリコン太陽電池を開発 中国Longi

中国の太陽電池メーカーであるLongiが、ドイツのハーメルン太陽エネルギー研究所の認証を受けた、変換効率27.3%に達するシリコンのヘテロ接合バックコンタクト(HBC)太陽電池の詳細を発表した。中国の中山大学との共同研究である同研究成果は2024年10月16日、『Nature Communications』誌に掲載された。

現在の太陽電池の主流である結晶シリコン太陽電池は、ビルや自動車、航空機への搭載など、今後、さまざまな用途に展開するために発電効率の向上が望まれている。その有望な技術として注目されているのがHBC太陽電池だ。

ヘテロ接合は電荷の再結合を防ぐ目的で結晶シリコンとアモルファス(非晶質)シリコンを組み合わせる技術で、バックコンタクトは受光面を広くする目的で、太陽電池の裏側だけに電極を形成して電気を取り出す技術である。この2つの技術を組み合わせたHBC太陽電池技術の開発が進められているが、さらなる高効率を達成するには電荷の再結合と輸送を管理する必要があった。

同社は2023年12月、変換効率27.09%を達成したHBC太陽電池を開発し、その後、効率27.3%を達成して、世界新記録を樹立したことを2024年5月に発表していた。

今回同社は、HBC太陽電池において、電荷の再結合を防ぐ目的のパッシベーションコンタクト層としてアモルファスシリコンを使用し、量産技術としてレーザーアブレーションを利用した作製法を開発した。さらに、再結合損失と抵抗損失、電流密度損失について厳密な理論と実験により評価した。

その結果、再結合損失は主に正孔選択的コンタクト領域と極性境界から生じることを発見し、損失を低減する方法を提案した。コンタクト抵抗率と直列抵抗、裏面電極パターンの設計の関係を明確にし、ウェハーエッジが電荷の再結合による電流密度損失の主な要因になることを実証した。

高度なナノ結晶パッシベーションコンタクトとウェハーエッジのパッシベーション技術、前面反射防止膜と背面反射鏡の綿密な最適化により、27.7%という高い効率を達成可能だという。

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