半導体業界へ転職ガイド~未経験者・経験者別にポイントをまとめました

半導体はスマートフォンやパソコン、家電製品、EV(電気自動車)などをつくる際に不可欠なものです。近年、これらの機器やEVが普及したことから、半導体業界の求人は増えています。

この記事では、半導体業界に転職したい方に向けて、最新の業界動向や転職を成功させるポイントを解説します。未経験者・経験者それぞれにおすすめの職種や資格も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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【目次】

半導体業界の転職市場

半導体業界とは、電子機器に内蔵された半導体の製造や流通に関わる業界のことです。半導体メーカー、半導体製造装置メーカー、半導体の流通を担う商社などが含まれます。厚生労働省の職業情報提供サイト「job tag」によると、半導体製品の製造工程の設計、開発、評価などを行う半導体技術者の平均年収は688.2万円です。

近年、半導体業界の求人数は大幅に増加しています。リクルートの調査では、「半導体関連エンジニア」の求人数は2013年から2023年の10年で12.8倍に増加しました。

その背景には、半導体を使用した機器の需要増があります。2016年頃から各業界でDX化が推進されていることに加え、コロナ禍の2020年以降はテレワークが増え、オフィスや自宅のネットワーク環境を整える必要性が出てきました。

今後もこうした需要が見込まれるため、半導体業界の求人数は増加していくでしょう。

半導体業界への転職~未経験~

未経験でも転職しやすい職種

ここでは半導体業界未経験の方に向けて、転職しやすいおすすめの職種をご紹介します。

生産管理職

生産管理職は、工場などの現場で生産プロセスを管理する仕事です。半導体メーカーにおいて不可欠な職種であり、人材の需要も高いと言えます。

半導体業界の経験がなくても、自動車や機械部品など他業種のメーカーでの実務経験があれば、実績を生かすことができます。また、経営工学などを専攻していれば、専門知識を生かして活躍できるでしょう。

製造職

製造職は実際に半導体をつくり上げる、製造業の根幹となる職種です。多くのメーカーでは製品の品質を保てるよう、製造工程をマニュアル化したり、未経験者向けの研修を実施したりしています。

そのため、製造職は業界未経験者にとって就きやすい職種と言われています。まずは製造職から始め、その後生産管理職に移るなど、戦略的に幅広くキャリアを積むことも選択肢となるでしょう。

営業職

営業職は、半導体を求める企業に対し、自社製品を販売する仕事です。他業界で営業職の経験があれば、半導体業界でも同じように活躍できます。特に、メーカーなどで有形商材を扱った経験があると望ましいでしょう。

ただし、半導体業界は進歩が速く、日々の情報のアップデートが欠かせません。業界未経験者は、半導体業界について勉強しておく必要があります。

資材調達

資材調達は、半導体の製造や、そのための装置に必要な資材を調達する仕事です。資材の質は完成した製品に大きく影響するため、重要なポジションだと言えます。

資材調達の業務では、顧客のニーズに沿った資材を選定する必要があり、判断力やコミュニケーション力が求められます。語学力がある場合は、特に外資系企業でスキルを生かせるでしょう。

未経験でも有利に働く資格やスキル

半導体業界が未経験でも、特定の資格やスキルを持っていると転職の際に有利になります。ここでは、半導体業界へ転職する際、持っていると有利になる資格・スキルを4つ紹介します。

半導体技術者検定

半導体技術者検定(SECC)は、半導体の製造者側と消費者側、双方からの知識を問われる試験です。半導体の研究・開発から製造、販売まで、半導体に関わるさまざまな職種で生かせる資格となっています。

資格は「エレクトロニクス1級~4級」の4段階に分かれています。このうち4級と3級は学生も対象とされているため、転職の際のアピールポイントとするなら、2級か1級の取得を目指しましょう。

半導体製品製造技能士

半導体製品製造技能士は、厚生労働省が認定している国家資格です。材料を物理的・化学的に処理・加工し、半導体をつくる製造職を対象としています。学科試験に加え、実技試験も実施されます。

資格には「特級・1級・2級」があり、特級と1級は実務経験が必須です。しかし2級については、大学・短大・高専などを卒業している場合は実務経験不要で受験できます。

機械保全技能士

機械保全技能士は、厚生労働省が認定する国家資格です。工場の設備機械の修理やメンテナンスといった保全業務に必要なスキル・知識が問われます。学科試験と実技試験が実施されます。

資格は「特級・1級・2級・3級」に分かれ、特級・1級・2級の受験には実務経験が必須です。ただし、受検に必要な実務経験年数は、学歴や職業訓練受講歴などに応じて短縮が可能です。

コミュニケーションスキルと英語力(TOEIC)

半導体業界で活躍するためには、コミュニケーションスキルが求められます。営業職や資材調達はもちろん、製造職や設計職も取引先や他部署と連携する必要があるため、コミュニケーションスキルが必要です。

また、半導体エンジニアは海外の資料を読む機会も少なくありません。営業職や資材調達の職種では、海外の取引先とやり取りすることもあります。そのため、TOEICなど英語力を証明できる資格があると有利になります。

半導体業界への転職~経験者~

半導体業界の人が転職を考えるべきタイミングとは

半導体業界には、「シリコンサイクル」と呼ばれる景気循環が存在し、約4年周期で需要の増加・減少を繰り返しています。これは技術革新が速い半導体業界ならではの現象と言えます。半導体業界に身を置いている方でも、シリコンサイクルを意識していないために、景気が落ち込んだタイミングで転職を考える方もいるかもしれません。

しかし、半導体業界の需要は他の業界と比べると安定しています。コロナ禍でもテレワークの需要や「巣ごもり需要」によって、安定した求人数を保っていました。

もし半導体業界の不況によって転職を考えているなら、まずはシリコンサイクルを把握しましょう。場合によっては転職タイミングを見直す必要があるかもしれません。

次も半導体業界でチャレンジする場合

半導体業界内の他社に転職したい方は、経験を生かして選考を有利に進められる可能性があります。ぜひ以下のポイントを押さえて転職活動を進めましょう。

自分に合った求人を探す

転職先を探すときは、入社後のミスマッチが生じないように注意しましょう。転職したい理由を深掘りし、自分に合った求人を探してください。

例えば、勤務時間の長さが不満で転職するなら、残業時間や勤務体制を中心に比較検討しましょう。前職の待遇面が不満なら、給与から絞ることも可能です。現在は半導体エンジニアが不足していることから、好待遇の求人も増えています。

また、未経験から半導体業界でキャリアアップしたいなら、研修が充実している企業や、具体的なキャリアパスを提示している企業を選ぶとよいでしょう。

転職エージェントを活用する

転職活動においては、業界研究や企業研究を進めることが非常に重要です。半導体業界や各メーカー・商社への知見を深めることで、自分にマッチした求人を探せます。

しかし、特に業界未経験の場合、業界構造や企業の内部事情に関してはなかなか把握できないでしょう。そこで役立つのが転職エージェントです。

数々の求職者と企業をつなぐ転職エージェントは、業界の内情や、求められる求職者の特徴を熟知しています。半導体業界への転職では、エンジニアに特化した転職エージェントを活用するのがおすすめです。

半導体業界とは違う業界を考えている方へ

現場職か営業職かにかかわらず、半導体業界での経験は他業種でも生かすことができます。違う業界へ転職したい方は、これまでの経験を生かせるかどうかを軸にするとよいでしょう。

半導体はさまざまな機器に組み込まれているため、幅広い業界で活躍のチャンスがあります。例えば、家電メーカー、各種機器メーカー、自動車メーカーなどが挙げられます。

現場職の場合、これまで培ってきたスキルが重宝されます。例えば、生産管理職の経験者はプロセスエンジニアとして活躍できる可能性があります。プロセスエンジニアとは、効率的に作業を進めるために、ものづくりの生産プロセスを管理する職種のことです。より幅広い知識やスキルが求められますが、半導体エンジニアとしての経験が生かせるでしょう。

半導体業界で転職が失敗するケース

半導体業界への転職で失敗してしまう原因としては、以下のようなものが見受けられます。

・自己分析が不十分
・転職先に求める条件が多い/理想が高い

転職理由や志望動機、自身のスキルの整理などができていないと、企業に対して十分なアピールができず、不採用となってしまいます。早く転職したい気持ちがあっても焦らず、入念に自己分析をすることが重要です。

また、転職先に求める条件が多すぎると、いつまでも転職先が見つからないといった事態になりかねません。そこで、転職先に求める条件に優先順位を付けましょう。また、求める条件だけでなく、「避けたい条件」を設定することも企業選びの軸になります。

エンジニアの転職なら「メイテックネクスト」

半導体業界への転職では、ぜひ業界を熟知したプロのサポートを受けてください。メイテックネクストは、エンジニアに特化した転職サービスです。特化型だからこそ、エンジニア特有の事情に対応した、きめ細かなサービスを提供しています。

転職を支援するコンサルタントは、半数以上がメーカーの技術系分野出身です。電気・電子・半導体関連専門のコンサルタントも多数在籍しています。エンジニア自身の業界経験を生かし、業界や企業の内情まで深く踏み込んだアドバイスが可能です。

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まとめ

現在、半導体を使用したさまざまな機器の需要が高まっていることから、半導体業界における求人も増えています。この流れは今後も続くと見込まれています。

半導体業界への転職では、的確な業界研究・企業研究を行うことが重要です。しかし専門知識が多く求められる業界なので、不安に感じる方も多いでしょう。

エンジニア業界に特化した転職エージェントのメイテックネクストは、業界経験の有無を問わず、あなたに合った転職活動をサポートします。ぜひお気軽にご相談ください。

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fabcross for エンジニア 編集部

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