米陸軍、次世代精密打撃ミサイルの飛行試験に成功―新たな長距離攻撃能力

米陸軍は2024年11月27日に公式サイトで、次世代の精密打撃ミサイル(PrSM:Precision Strike Missile)の飛行試験に成功したことを発表した。

PrSMは、陸軍戦術ミサイルシステム(ATACMS:Army Tactical Missile System)に代わるものとして、2020年にLockheed Martinが構築した地対地ミサイルシステムだ。1991年の砂漠の嵐作戦で初めて使用されたATACMSは、敵地の奥深くにある目標を攻撃するために不可欠な長距離精密誘導が可能である。PrSMは、射程距離もミサイル搭載量もATACMSを上回るものとして現在も開発が進められている。

米国防総省によると、PrSMが搭載できるミサイル数はATACMSの2倍で、最大射程距離はATACMSの約300kmに対して400kmと大幅に向上。また、発射ポッド1基あたり2発の弾頭を搭載できることからも、さまざまな戦闘シナリオにおいて、より効率的かつ効果的な利用が可能だ。

今回のデモンストレーションは、11月18日にホワイトサンズミサイル発射場で実施された。この試験では、M142高機動ロケット砲システム(HIMARS:High Mobility Artillery Rocket System)ランチャーから2発のミサイルを発射した。PrSMの試験としては、乗員が操作するHIMARSランチャーからの発射は初めてのことだ。

PrSMの初期能力(Increment 1)を検証するInc 1ミサイルの試験の予備結果によると、予測された飛行軌道、射程、殺傷能力、迎撃角度、弾頭性能など、すべての試験目標において正常に機能したことが示された。

米陸軍は公式サイトで、「PrSMは次世代の長距離精密攻撃ミサイルであり、目標を攻撃、無力化、制圧、破壊する重要な能力を提供し、統合された全領域作戦を通じてミッションの成功を支援するものである」と述べている。

関連情報

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る