小型/高性能な全ファイバ型の機構共有型デュアルコムファイバレーザーを開発 東邦大学と徳島大学

東邦大学は2023年8月28日、徳島大学と共同で、小型/高性能な全ファイバ型の機構共有型デュアルコムファイバレーザーを開発したと発表した。

高度なレーザー技術である光周波数コム(光コム)は、多くの科学分野、技術分野における光源として活用されている。中でも特に注目されているのが光コムを用いた高精度分光だ。高精度分光では、繰り返し周波数が異なる2台の光コムを使用し、広帯域かつ高分解能で、高速に分光情報を取得できる「デュアルコム分光法」という手法が提案されている。

同法では、2台の光コムを生成するために2台のレーザー光源が必要となり、各光コムには、高い相互コヒーレンス性と周波数安定性が求められる。これらを制御するため、従来の方法では装置が大きくかつ複雑になる。さらに価格も高価になってしまい、それが実用化の障壁となっていた。

今回同大学らは、可飽和吸収体Micro-optic componentと偏波保持ファイバデバイスを使用した、小型で自由空間光学系が不要な全ファイバ型機構共有型デュアルコムファイバレーザーを開発。同ファイバレーザーは、2台の光コムが同じ雑音を共有することで、外部の雑音の影響を抑えることができるのが特長だ。これにより高い相対安定性を実現した。また、全ファイバ型のため、小型かつ堅牢だ。

同ファイバレーザーを用いて、実際のガス分子の吸収スペクトルを高速かつ高分解能で測定することにも成功している。

今回開発したデュアルコムファイバレーザーは、ガス計測やセンシング分野などへの活用が期待される。また、小型、堅牢なため、プラントなどの実際の現場で利用できる分光装置の光源としての活用も期待される。

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全ファイバ型での機構共有型デュアルコムファイバレーザーを開発 | プレスリリース | 東邦大学

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