デブリ除去ミッション「ClearSpace-1」のターゲット近傍に新たな物体を検知――衝突リスクは無視できるとの予備的評価

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欧州宇宙機関(ESA)は、2023年8月22日、デブリ除去ミッション「ClearSpace-1」がターゲットとしているデブリの近傍に、新たな物体が発見されたと発表した。この物体を検知したのは米宇宙軍の第18宇宙防衛隊で、2023年8月10日にESAに通知した。

ClearSpace-1ミッションのターゲットであるデブリは、「VESPA」と名付けられたペイロードアダプターの一部で、2013年に仏領ギアナのESAの宇宙港からロケット「Vega VV02」を打ち上げた際に軌道上に残されたものだ。

円すい形のVESPAはペイロードアダプターの上部に当たり、直径2mで重さは113kg。地球に最も近づく近地点が660km、地球からの距離が最も遠くなる遠地点が790km、軌道傾斜角98.72度の軌道上を周回している。

新たに見つかった物体は、何らかの小さな物質が超高速でVESPAに衝突した際に生じた破片である可能性が高い。予備的評価の段階では、これらの破片が他のミッションに及ぼす衝突リスクは無視できる程度だという。

ESAはさらなる情報収集を進め、産業界のパートナーと連携しながら、新たに発見された物体がClearSpace-1ミッションに及ぼす影響を慎重に見極めつつ、ミッションを継続する予定だ。

関連情報

ESA – Objects detected in the vicinity of ClearSpace-1 debris removal mission target

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