日本精工(NSK)は2024年7月1日、「Micro-UT法を用いた高精度寿命予測」によって、転がり軸受の基本動定格荷重を向上させたと発表した。
Micro-UT法を用いた高精度寿命予測は、鋼材中の非金属介在物の大きさや量から、転がり軸受のはくり寿命を高精度に予測する技術だ。特許出願済で、同社によると世界初の技術となる。
同技術を同社の主な転がり軸受に適用することで、軸受の寿命計算のパラメータ基本動定格荷重を向上させた。その結果、例えばラジアルころ軸受の基本定格寿命が最大で2倍に延びる。今回適用したのは、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受、円筒ころ軸受、および円すいころ軸受だ。
軸受の基本動定格荷重を向上させることで、高負荷の環境でも使用できるようになり、より小型の軸受に置き換え可能になる。また、軸受トルクが軽減することで消費電力の抑制につながる。
改定後の基本動定格荷重は、同社Webサイトのオンラインカタログなどのエンジニアリングツールに既に反映されている。また、エンジニアリングツールの技術計算では、改定後の基本動定格荷重による寿命計算などが実施可能だ。