AIを搭載したプリント基板・アドバンストパッケージ設計用自動配置配線機能を発表 図研

図研は2023年9月19日、基板CAD「CR-8000 Design Force」のオプションソフトウエア製品として、AIを搭載したプリント基板およびアドバンストパッケージ設計用自動配置配線機能「Autonomous Intelligent Place and Route」を発表した。CR-8000シリーズに独自技術によるAIエンジンを組み込み、CAD上の配置配線コマンドと直接連携させて高速動作に対応している。

製品は、AI技術を活用した新しい自動配置配線のプラットフォーム「Autonomous Intelligent Place and Route(AIPR)」、同社による学習済み特徴データベースを利用したAI自動配置配線機能「Basic Brain」、ユーザーの設計資産や新たな設計データを学習させた特徴データベースを活用するAI自動配置配線機能「Dynamic Brain」、自律的なAI自動配置配線機能「Autonomous Brain」で構成される。

Autonomous Intelligent Place and Routeには、従来の製品で高速信号回路設計に有用な設計アシストツール「Intelligent Place and Route」の機能も含まれる。

Basic Brainは、同社がこれまで蓄積してきた基板設計のナレッジと新開発のAIエンジンを組み合わせている。類似パターンを認識して配線する模倣配線、バス配線を自動生成するバス終端配線候補生成などの機能を搭載する。

Dynamic Brainは、ユーザーの設計資産や新たな設計データを設計対象物のアプリケーション分野などの特徴別に、AIに学習させ、対象分野別に設計者のナレッジや嗜好を汲み取った設計を実行する。

Autonomous Brainは、対象分野別の複数の特徴データベースをAIが戦略的かつ自律的に選択し、配置配線設計を繰り返して設計を最適化する。Dynamic Brainの学習データを活用し、設計者の思考に近い自動配置配線をAIが実行できる。

Autonomous Intelligent Place and Routeは、「CR-8000 Design Force 2024」から利用できる。先行して、図研にて学習済みの特徴データベースを利用した自動配置配線機能の他、基板内の類似パターンを認識して一括で配線する模倣配線、コネクタやBGAへのバス配線を自動生成するバス終端配線候補生成など、汎用的な機能を販売する。これらの機能は、より幅広い設計要件に柔軟に適用できるよう順次強化していく。

最終的には、ユーザー固有の設計要件を学習させて独自の特徴データベースを形成し、戦略的にその特徴データベースを切り替え、自律的な自動配置配線に対応するフローを実現していく。

Autonomous Intelligent Place and Route、Basic Brainの日本語版、グローバル(英語)版の販売は、2023年度末を予定。Dynamic Brain、Autonomous Brainの販売は、来年度以降の順次開始を予定している。

関連情報

図研、AIを活用したプリント基板・アドバンストパッケージ設計用自動配置配線機能 「Autonomous Intelligent Place and Route」リリース開始を発表 – 株式会社図研

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