再生可能エネルギーの導入率、2022年に50%に向上――欧州委員会が報告書を発表

欧州委員会は2023年10月25日、クリーンエネルギー技術の競争力に関する報告書を発表した。要旨として、EUはクリーンエネルギー研究のリーダーであり続ける一方で、特定の技術については輸入への依存傾向が強まっていると報じた。

本報告書は、クリーンエネルギー分野の多様な側面(原材料費、サプライチェーン問題、スキルなど)の競争力を評価している。クリーンエネルギー技術観測所(CETO)の情報をもとに、多様なネットゼロ技術(太陽光、風力、海洋エネルギーなど)の競争力を考察した。

なかでも、2022年の風力発電と太陽光発電の導入率は、2021年と比較して約50%増加している。一方で、原材料から主要な中間部品、最終的なクリーンエネルギー技術に至るまで、EUでは第三国からの輸入への依存が進んだと、同レポートは指摘している。

これに対して同報告書は、EUはすでにこの問題に対処中だと強調する。「グリーンディール産業計画」、「ネットゼロ産業法」、「重要原材料法」はすべて、欧州のネットゼロ技術の輸入依存度を下げ、バリューチェーンを強化し、製造基盤を強化すると説明している。

雇用面のニーズは増加傾向だが、スキルの格差と不足がこの分野の成長を阻害する可能性を示唆している。2023年時点で中小企業の8割近くが、適切なスキルを持つ労働者の確保が難しくなると回答し、スキルの向上や技術革新などが課題となった。

EUエネルギー担当委員のKadri Simon氏は、「本報告書は、EUのクリーンエネルギー部門の競争力の要因、機会、障壁を分析したもので、注目度が高い。課題に対しては、EU全体で産業界への支援に取り組む必要性を注意喚起している」と述べた。

関連情報

Competitiveness report highlights EU potential in clean energy transition

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