- 2024-1-16
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- 1MW級, キヤノン電子管デバイス, 京都フュージョニアリング, 低周波数ジャイロトロン, 大型核融合炉, 核融合科学研究所, 研究, 筑波大学, 英国原子力公社
京都フュージョニアリングは2024年1月12日、大型核融合炉向けの35GHz低周波数ジャイロトロンシステムの性能試験において、3秒間の1MW級での出力に成功したと発表した。今回の結果は、同社の他に核融合科学研究所(NIFS)、筑波大学、英国原子力公社(UKAEA)、およびキヤノン電子管デバイスの共同研究によるものだ。
大型核融合炉向けに開発されているジャイロトロンシステムは、100GHz以上の高周波のものが主流で、電子サイクロトロン加熱によって炉心を加熱する。しかし、MAST Upgradeなどの球状トカマク装置では、電子サイクロトロン加熱が難しいため、比較的低周波で高密度プラズマの電子を加速し加熱する方式を採用する必要がある。しかし、周波数が低くなると、ジャイロトロンから出力するビームが発散しやすくなって炉心プラズマまでの伝送が難しかったり、放電しやすくなることで機器破損などのリスクが増すという課題があった。
今回の研究では、ジャイロトロンからビームを出力するために内部に設置しているミラーと、ジャイロトロンから発生したビームを炉心プラズマに伝送するための導波管へ誘導する、準光学的結合器(MOU)内のミラーのサイズを拡大。加えて各ミラー間の距離を最小限にするよう設計した。ミラーを大きくすることで発散しやすいビームの伝送損失を抑え、ミラー間の距離を最小限することで伝送損失や放電を減少させることが期待できる。
これらの設計を微調整しながら、ジャイロトロン稼働用の高電圧電源や、ビーム発生用の超電導マグネットのパラメータを調整。性能試験を繰り返し行った。その結果35GHzの低周波数で3秒間の1MW級の出力を実現した。
従来は1ミリ秒クラスの短パルスでの1MW級の出力や、秒レベルでの0.13~0.4MW程度の出力は実現していたが、今回のような1MW級で秒レベルでの動作は確認できていなかった。加えて合計20回中19回の出力で同程度の出力に成功するなど、再現性の高いことも確認できたという。
今回の研究の結果、大電力電磁波ビームの発散が課題である35GHzの低周波領域で、秒レベルのMW級での出力に成功したことは、小型核融合炉開発に大きく貢献する可能性がある。
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