- 2024-5-1
- 化学・素材系, 技術ニュース
- SOEC, SOFC, カーボンニュートラル, 三菱重工業, 固体酸化物形水電解セル, 固体酸化物形燃料電池, 高効率水素製造技術, 高砂水素パーク
三菱重工業は2024年4月25日、次世代の高効率水素製造技術である固体酸化物水蒸気電解(SOEC)のデモ機の運転を高砂水素パークで開始したと発表した。今後、数年以内にMWクラスのSOECシステム実証設備を同パーク内に設置し、実運用を経て製品化を目指す。
デモ機は400kW容量で、約500本のセルを組み合わせたカートリッジを複数台搭載したモジュールで構成している。デモ運転でのモジュールの電解効率は3.5kWh/Nm3と、高効率での運転を確認できた。
SOECは、同社がすでに開発・製品化している固体酸化物形燃料電池(SOFC)の技術を応用して開発された。高効率であるという利点に加え、同社独自の円筒形セルを用いることで、高圧化を可能にする技術の確立を目指している。
デモ運転で、高効率での運転を確認できたことは、同社が目指す総合効率90%-HHVというシステム構築に向けて大きな成果となる。
高砂水素パークは、水素製造から発電までにわたる技術を一貫して検証できる世界初の施設で、水素の製造・貯蔵・利用(発電)の3つの機能を持つエリアに分かれている。同社は今後も高砂水素パークを活用しながら、水素製造・発電技術の開発と実機検証を進め、世界各地における電力の安定供給とカーボンニュートラル社会の早期実現に向けて貢献していくとしている。
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