- 2024-7-5
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中国科学院青島生物エネルギープロセス研究所(QIBEBT)の研究チームが、塩湖水からリチウムを抽出できる、環境に優しく耐久性のある窒化炭素膜を開発した。同研究成果は2024年6月14日、「Science Advances」誌に掲載された。
電気自動車や再生可能エネルギーなどの電池資源として、リチウムの需要が高まっている。塩湖水からのリチウム抽出過程には、高濃度マグネシウムイオンからの分離が重要となるため、高選択分離法の開発が求められている。
研究チームは、生物のイオンチャネルを模倣した「共役溶着結晶性窒化炭素膜」を開発し、マグネシウムイオンを含む塩湖水中からリチウムイオンを分離する、高い選択性と耐久性を確認した。開発した膜は、1Mの高濃度マグネシウムイオン溶液から500分の1の濃度の希薄なリチウムイオンを抽出する際に、選択比1708という従来の100倍以上高い性能を達成した。さらに、従来の高分子分離膜の運転時間は数10時間までであったが、10日間の連続運転が可能となった。
開発した膜の性能は、高分子窒化炭素の結晶とアモルファスを組み合わせたユニークな構造に起因するという。均一な狭い穴を持つ同構造は、大きな水和マグネシウムイオンを排除するだけでなく、天然のイオンチャネルに見られるバリアフリーのイオン輸送に似た、円滑なリチウムイオン輸送を促進する。
同研究は、リチウム回収の効率性と持続可能性を高め、電気自動車と再生可能エネルギー技術への幅広い分野に貢献すると期待される。
QIBEBTのLiu Jian教授は、「本膜技術によって達成した進歩は、再生可能エネルギーと電気モビリティへの移行において極めて重要な要素である、リチウムの効率的抽出に新たな可能性を提供します」と説明した。
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