- 2024-7-25
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- 800V-DC急速充電器, CALLUM, DoD(Depth of Discharge:放電深度)急速充電サイクル, Lotus Elise S1, Nyobolt, Nyobolt EV, WLTPモード, ハンドリング性能, リチウムイオンバッテリー, 急速充電対応車両, 超高速充電システム, 過充電劣化, 電気自動車
英Nyoboltは2024年6月28日、英CALLUMと共同開発した電気自動車「Nyobolt EV」プロトタイプを使い、同社が開発した超高速充電システムの実証実験を行ったと発表した。
出力350kWの800V-DC急速充電器を使用した車載テストでは、4分37秒で50Ah/35kWhバッテリーを10%から80%まで充電できることを確認した。これは市販されている急速充電対応車両の2倍のスピードだという。さらに最初の4分間は500Aの定電流で充電されるため、このプロトタイプモデルであればわずか4分間の充電で192km走行できることになる。フル充電時、航続距離はWLTP(乗用車等の国際調和排出ガス・燃費試験法)で250kmだ。
また同社の24.5Ahセルは、4000回以上のDoD(Depth of Discharge:放電深度)急速充電サイクルを繰り返しても、80%以上のバッテリー容量を維持するとし、一般的なリチウムイオンバッテリーよりも過充電劣化も少ないという。この充放電サイクル数は96万5000km以上の走行に値し、より大型のEVバッテリーの保証性能を何倍も上回る。
Lotus Elise S1をベースに作製されたNyobolt EVは、車両重量わずか1250kgのスポーツカーだ。同社は、この技術により自動車業界が再びハンドリング性能の高い軽量スポーツカーに回帰することができるとしている。Nyobolt EVに搭載された35kWhのバッテリーパックは技術検証を前提にしたものだが、同社の生産工場は少数であれば他のOEM向け生産は可能だとし、2025年には生産規模を1000パック程度にまで引き上げられるとしている。同社のフレキシブル製造モデルは、年間200万セルまでの生産に対応可能であり、すでに8つの自動車メーカーと技術採用について協議しているとのことだ。
関連情報
Nyobolt EV sportscar prototype takes ultra-fast charging out of the lab and onto the road | Nyobolt