阪大、従来と同等の硬さでもより速く効率的に自己修復可能な材料を開発

大阪大学は2016年11月11日、凹み傷も切り傷も自己修復できるコーティング材料を発表した。従来の自己修復材料には「硬いものは傷つくと修復しにくい」という課題があったが、今回の研究で「硬い材料でも速く効率の良い自己修復が可能」であることが示された。

大阪大学の研究グループはこのたび、ポリロタキサンに特殊な材料設計を施した自己修復材料を作製。ポリロタキサンの輪分子同士を可逆的に結合し、自己修復可能なゲルを作り出した。

このゲルは溶媒を含んだ状態の場合、切断後に再接触させると10分以内に80%以上元に戻る。一方、溶媒を含まないフィルムの状態では、表面にカッターナイフで傷を付けても、30分以内にほぼ100%、つまり傷がほとんど見えなくなるまで回復する。

従来の自己修復材料は、輪分子がひも上を自由に運動できるというポリロタキサンの性質のみを利用するか、可逆的な結合の性質を利用するかのどちらかだった。そのため、自己修復の速さや効率と材料の硬さがトレードオフの関係にあった。

だが、今回開発された材料はいずれの性質も備えるため、従来の材料と同程度の硬さでも格段に速く、効率よく自己修復できるという。

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