出力15MW――地下1マイルに設置する小型原子炉を開発 米Deep Fission

アメリカの原子力スタートアップDeep Fissionは、直径30インチ(約76cm)で地中1マイル(約1.6km)までボーリングした孔に設置する、出力15MWのモジュール式マイクロ原子炉を開発している。

同炉は、標準的な加圧水型原子炉と同じ燃料を、同じ制御方法で運用する。圧力も160気圧、炉心温度も約315℃で同じだ。特徴的なのは、水圧が160気圧に達する地下1マイルの深部に設置するため、巨大な原子炉圧力容器や、大きな加圧器や巨大な格納容器を必要としない点だ。それにより、キロワット時あたりのコストを低く抑えられるという。

蒸気タービンは地上に設置するため、地下深部には制御棒と冷却水回路以外に可動部分がない。メンテナンスの必要性は最小限だが、原子炉の検査が必要とされる場合は、ケーブルにより1〜2時間で地上まで引き上げることができる。地中深くに設置することで、竜巻や洪水、ハリケーン、津波、飛行機墜落、テロリストの手が届かないところにあるため、安全性が高いという。緊急時の炉心冷却も、原子炉の上部には1マイル分の水があるため容易だとしている。

関連情報

Deep Fission’s Underground SMR Using Borehole Technology

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