米Meta、素人の絵をアニメーションで動かす研究――新しい絵のデータセットとアニメーションコードを公開

米Metaは2021年終わりに、子どもたちが手描きした人物や人型キャラクターを自動的にアニメーション化し動かすAIシステム研究デモ「Animated Drawings Demo」を公開した。そしてこのたび、2023年4月13日に、新しい素人の絵のデータセットとともにアニメーションコードを公開すると発表した。

現実の物体の画像で学習したAIモデルには、抽象的であったり、非現実的であったりする絵の内容や意味が理解できないことがある。AIに人間が人物を描くさまざまな方法を認識させるには、素人のスケッチからなる大規模なデータセットが必要だ。

今回は、アノテーション付きの素人の絵、約18万点からなる新しいデータセットを公開。このようなアートワークを取り上げたアノテーション付きデータセットはこれが初めてだという。

2021年末のデモの際にアップロードされた画像は全部で670万枚にのぼる。その中からAmateur Drawings Datasetに参加することを承諾したユーザーの画像を、高い品質を確保するため慎重にフィルタリングし、プライバシーを保護した上で使用した。

このデータセットを用いることで、素人が描いた絵の内容をより簡単かつ正確に分析するツールを構築可能だ。

また、今回のオープンソースコードとデータセットを他の創造的かつ教育的な目的に拡張する例として、Metaのブログに踊る人物のGIFが掲載されている。これは、現実の子どもが踊る動きに合わせて、子どもが描いたと思われる人物や人型キャラクターの絵が動くアニメーションとなっている。

Metaは、今回のデータセットとアニメーションコードによって、素人の絵という領域が、その表現の可能性と親しみやすさで新世代のクリエイターにインスピレーションを与えられるとしている。

関連情報

A new, unique AI dataset for animating amateur drawings

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