超大型ばら積み貨物船での原子力利用に関して調査――運用コストや脱炭素化に利点 ULC-Energy

オランダの原子力開発およびコンサルティング会社ULC-Energyは2024年9月27日、超大型ばら積み貨物船の動力に民生用原子炉技術を使用した場合、設計および利益の面でどのような影響があるかについての研究結果を発表した。この研究は、船舶設計およびエンジニアリング会社のC-Job Naval Architectsと共同で行われた。

この研究では、ニューカッスルマックス(最大許容幅47m、平均載貨重量約18万トン)ばら積み貨物船の動力として、原子力を使用するものと、従来のVLSFO(低硫黄燃料油)を使用するもの、グリーンアンモニアを使用するものを比較し、各燃料タイプにおける設計への影響、温室効果ガス排出量、商業パフォーマンスを調査した。

その結果、ニューカッスルマックスばら積み貨物船に原子炉を組み込むために必要な構造の変更、および安全性の変化について、貨物容量への影響は最小限に抑えられることが分かった。

また、原子力推進は、VLSFOやアンモニアのような代替燃料と比較して、1トン当たりの輸送にかかる運用コストが最も低いことも確認できた。船舶の建造に必要な資本がより高いため、燃料コストの低さは一部相殺されるが、より長く、より速く、より安く航行可能だ。

さらに、原子力推進の場合は温室効果ガス排出量がほぼゼロであり、グリーンアンモニアを燃料とする船舶よりも排出量が少ないことも分かった。これは、原子力推進が海運業界の脱炭素化目標を支える可能性があることを示している。

一方で、民間の原子力海運推進システムには、認可や運用、その他の課題があることも認めている。海運利用が検討されている原子炉設計のほとんどは未だ構想段階にあるため、このような船舶のコストの見積もりは、現状では限定的なものだ。しかし、プロジェクトが成熟するにつれて精度は向上するとの見解を示している。

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