マクセルは2024年4月16日、軽量化や強度の向上、外観の維持が可能な発泡成形技術を開発したと発表した。
今回開発した技術は、同社の発泡成形技術「RIC-FOAM」を応用したものだ。
RIC-FOAMは、同社が2017年に京都大学と共同開発した。低圧の物理発泡成形技術として実用化されており、同技術を用いて製造した部品が、自動車や家電、スポーツなどの分野で製品化されている。
ただし、RIC-FOAMでは、樹脂の強度が低下することや、発泡剤に由来するガスにより外観が悪化することが課題となっていた。
そこで同社は今回、リブのみを発泡させる部分発泡成形技術を開発。基材を発泡させないことで、強度向上と外観の維持の両立が可能となった。
今回開発した技術は、既存の発泡成形機にそのまま適用可能。金型内でのガス流通の制御や製品設計、金型設計のシミュレーションにより、射出成形時に金型内でリブのみを部分発泡させられる。
同社では、同技術を用いた曲げ試験を実施した。質量13.9g、基材厚み3mmの平板と、リブを発泡させた質量8.2g、基材厚み1mmの平板を用意。5kgの荷重を加えたところ、3mm基材が変形量が2.4mmとなったのに対し、リブ発泡の1mm基材では2.1mmに留まった。
同社は現在、主に中国に向けて、グループ会社のMaxell Digital Products Chinaや提携メーカーにて実用化の準備を進めている。中国では電気自動車(EV)が量産されているため、同技術の需要が見込まれる。
また、同社は、2024年4月23日から26日にかけて上海で開催されるプラスチック関連の展示会「CHINAPLAS 2024」にて、同技術を用いて製造したサンプルを複数展示する。