村田機械は2018年4月18日、自動車向けプラスチック成形加工などで使用する射出成形金型に埋め込み、金型の開き量や動作量を測定する位置センサー「MEL1007」を開発し、販売開始したと発表した。同社従来品と比べてより多くの加工法に対応している。
同製品は、成形金型に直接埋め込んでコア(雄型)とキャビティ(雌型)の開き量やたわみを正確に測定できる耐熱性位置センサーだ。磁気誘導と位相検出方式により、すぐれた繰り返し精度と耐環境性を持っている。2017年4月に発売した前モデル「MEL1002」は、主に射出成形加工業や射出成形機メーカーに導入されている。
今回の新製品では、検出ストロークをMEL1002の2mmから7mmに延長している。これにより、材料を金型内に射出充填した後にコアをスライドさせて気泡を生じさせ、軽量化につなげるコアバック法(コアバック射出発泡成形)や、金型内の材料に圧力をかけながら加熱溶融させたのち冷却して硬化させる圧縮成形など、これまで金型の動作量が大きいために対応できなかった加工法に対応した。さらに、より高精度な金型制御が必要な加工にも利用できるようになった。
MEL1002同様150℃の耐熱性があり、射出成形機の金型に埋め込みが可能。測定値は同社の変換器「MPD200」他で出力してデータ蓄積や成形機制御に活用できる。さらに、同社の金型挙動モニタリングシステム「Muratec Molding Monitor」と組み合わせて、金型内の圧力や温度などの各種センサーデータと合わせて分析することで、詳細な金型挙動を把握することができる。
繰り返し精度は±2μm、直線性精度は10μm以下、最高分解能は0.125μm、耐衝撃は100G、耐振動は20~150Hz/5G、耐久性は300万回となっている。