固定翼に内蔵したファンで垂直上昇する、Fan-in-wing型の航空機コンセプト

米Boeing傘下の米Aurora Flight Sciencesは2024年10月8日、スピードとステルス性に優れているとされる、垂直上昇プラットフォームのコンセプト機を発表した。同機は一般に「X-plane」と呼ばれる試作機で、同社のFan-in-wing(FIW)の構造が特徴だ。

同社はこの垂直上昇型のコンセプト機を、滑走路が未整備の場所での高速移動性、空挺ロジスティクスや人員回収ミッションに使用できる、スケーラブルな技術と位置付けている。

開発体制は、国防高等研究計画局(DARPA)の速度/滑走路独立技術(SPRINT)プログラムの一環となる。航空機の速度と滑走路を必要としない「滑走路独立性」という革新的な組み合わせを可能にする、主要技術と統合コンセプトの実証を目的としている。

FIWは、翼と胴体を一体化した「混合翼」に、揚力ファンを内蔵した胴体設計だ。今日の固定翼機に関連するペイロードの許容量や空力特性を犠牲にすることなく、垂直揚力による機敏な運用を可能にする。

開発チームは現在、翼幅14m、積載量454kgの無人実証機を設計している。推進システムは、既存のターボファンエンジンとターボシャフトエンジンを含み、最大時速833kmの真対気速度(knots true airspeed: KTAS)で機体を推進する。

同社は将来、4つのリフトファンと12mのペイロードベイを備えた翼幅40mの有人航空機の開発を構想している。プログラムの現在の段階は2025年5月まで続き、飛行試験を2027年に予定している。

関連情報

A Revolutionary Solution for Contested Air Transport – Aurora Flight Sciences

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る