- 2024-11-21
- 技術・スキル市場分析, 転職・キャリアアップ, 電気・電子系
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昨今、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が叫ばれていますが、推進するためのシステムエンジニアが足りていないのが現状です。そのため、システムエンジニアは非常に転職しやすい売り手市場になっています。
しかし、やみくもに転職すると「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうかもしれません。この記事では、システムエンジニアの転職のタイミングや成功するためのポイント、失敗するケースなどを解説します。どうぞご覧ください。
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システムエンジニアの転職市場
東京ハローワークの「職種別有効求人・求職状況(一般常用)」(2024年9月)によると、システムエンジニアが分類される「IT技術関連」の求人倍率は3.22倍でした。これは求職者1人に対して求人数が3件以上あるということで、システムエンジニアの転職市場は売り手市場であることが分かります。
売り手市場である理由の1つは「DX」の必要性です。まだDXを推進できていない企業は、レガシーシステムと呼ばれる古いシステムを運用しています。そして、そのレガシーシステムを運用できるエンジニアの多くは高齢化が進み、2025年までに引退することが予想されています。
この問題による弊害は「2025年の崖」と呼ばれており、レガシーシステムを刷新しなければならない企業はまだ多く存在しています。これからもシステムエンジニアの売り手市場は続くでしょう。
システムエンジニアが転職を考えるべきタイミングとは
システムエンジニアはスキルや経験があれば、転職で年収を伸ばしていける職種です。しかし、どのタイミングで転職すればよいか分からない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、システムエンジニアが転職を考えるべきタイミングとして、以下の4点を解説します。
1. 年齢
2. 1年のうち転職に適した時期
3. スキルアップ
4. 職場環境の問題
それぞれ見ていきましょう。
1. 年齢
システムエンジニアは、スキルや経験とともに年齢も重視されることがあります。システムエンジニアの世界には「35歳定年説」や「35歳限界説」といった言葉もあるくらいです。そのため、もしスキルや経験があるのであれば、転職のタイミングは早ければ早いほど有利になります。
実力のあるシステムエンジニアであれば、35歳どころかシニアになっても活躍できるでしょう。しかし、採用担当者の中にはシニアエンジニアに対して、新しい技術をキャッチアップしていける学習能力や伸びしろに不安を抱く人もいます。
また、プロジェクトによっては「デスマーチ」と呼ばれる激務になることがあります。体力のある若いエンジニアであれば、長時間残業が続いても耐えられますが、シニアエンジニアは往々にして体力が衰えているため、無理が利きません。
また、上司が年下になる問題もあります。年下の上司は、どうしても年上のシニアエンジニアに気を使ってしまうため、マネジメントに支障が生じることもあります。
このような懸念があることから、年齢的に転職のタイミングは早ければ早いほど良いでしょう。
2. 1年のうち転職に適した時期
システムエンジニアは1年を通して多くの求人が出ていますが、その中でも中途採用活動が活発化しやすい時期が2つあります。「2〜3月」と「8〜9月」です。
2〜3月は、年度末である3月に退職する人が増えるため、その欠員補充として求人がより多く出される傾向があります。他の時期より転職のチャンスが増えるため、積極的に転職活動をするには良い時期でしょう。
ただし、年度末に退職する人が増えるということは、転職する人も多くなるので、選考のレベルは高くなる傾向があります。良いチャンスをつかむためには、2〜3月に向けて事前にしっかりと転職対策をしておく必要があります。
8〜9月は、下半期がスタートする10月からの人員体制を強化するため、より多くの求人が出されます。さらなる事業拡大を狙う好調な企業に入れるチャンスも増えるでしょう。
また、外資系企業は年度末が12月であることも多いため、10〜12月が狙い目になることもあります。
3. スキルアップ
年齢や年度末といったタイミングも重要ですが、それ以上にシステムエンジニアとして転職を考えるべきタイミングがあります。それは、今勤めている会社でのスキルアップに限界を感じたときです。
今勤めている会社のキャリアパスで、システムエンジニアとしての専門性を高めてスペシャリストになる、またはプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどの管理者になり、ゆくゆくは経営陣を目指すなどのビジョンがあるならば、転職をすべきではありません。
しかし、そのようなキャリアパスがまったく描けず、望むようなスキルアップもできないような状況であれば、年齢を重ねてしまう前に転職を考えるべきでしょう。
ただし、今勤めている会社で、できる限り市場価値を高めることは重要です。スキルや経験が豊富なほど、システムエンジニアとしての市場価値は高まります。特にリーダー経験があれば、さらに希望通りの転職がしやすくなるでしょう。
4. 職場環境の問題
今勤めている会社で、できる限り経験を積んでスキルを高め、システムエンジニアとしての市場価値を上げることは重要です。しかし、パワハラやモラハラが横行するようなブラック企業だったり、プロジェクトが常にデスマーチに陥っているような職場環境だったりする場合は、早めに転職を考えるべきでしょう。
無理して頑張り続けると、身体的にもメンタル的にも病んでしまいます。特にメンタルは、一度病んでしまうと回復に時間がかかり、再発しやすくなる恐れもあるため注意が必要です。心身ともに余力があるうちに、転職活動を開始するようにしましょう。
ただし、劣悪な職場環境とはいえ短期間で退職すると、転職活動の際に印象が悪くなることもあります。そのため、職場環境を変えられる相談ができるようであれば、退職の話をする前に人事部や社内の相談窓口に相談してみることをお勧めします。部署の変更や休暇の取得など、配慮してもらえるかもしれません。社内での解決が難しい場合は、行政機関など社外の相談先を利用することも検討しましょう。
システムエンジニアの転職 成功ポイント
システムエンジニアは、システム設計をするのが主な仕事です。しかし、システムエンジニアの多くはシステム設計だけでなく、さまざまなキャリアを選択できます。システムエンジニアとしての基礎を固めた後に、ネットワークやデータベースなどの専門技術に特化したスペシャリストになったり、プロジェクトマネージャーなどになってマネジメントに携わったりします。また、ITコンサルタントとして顧客の課題解決に取り組んだり、社内SEとして身近な誰かの役に立つ仕事をしたりすることもあります。
このようにさまざまな可能性を持つシステムエンジニアですが、転職を成功させるにはどのようなところに気を付ければ良いのでしょうか。転職成功のポイントとして、以下の2点を解説します。
1. どうすればキャリアアップできるか、キャリアパスを考えておく
2. これまでのキャリアを少しでも生かせる転職先を探す
それぞれ見ていきましょう。
1. どうすればキャリアアップできるか、キャリアパスを考えておく
システムエンジニアは、システム設計の仕事を起点として、さまざまなキャリアアップができる職種です。そのため、どうすればキャリアアップできるか、キャリアパスを考えておくことが転職の成功ポイントになります。
システムエンジニアとして経験を積む中で、専門技術に特化していきたいのか、マネジメントを志すのかなど、自分の目指すキャリアパスを固めておくことが大事です。そして、そのキャリアパスを描ける転職先を見つけるようにしましょう。
キャリアパスが明確になっていれば、システムエンジニアとしての市場価値を着実に上げながら、説得力のある退職理由とともに、適切なタイミングで転職活動を進めることができます。
2. これまでのキャリアを少しでも生かせる転職先を探す
キャリアパスは、「将来こういう風になりたい」「このような仕事がしてみたい」というビジョンを具現化させていくものです。転職活動の際にそれをアピールすることは、「成長意欲がある人」「実行力がある人」といった好印象を与えられます。
しかし、あまりにも「自分がこうなりたい」「自分がこうしたい」という、自分側の視点ばかり主張するのは逆効果です。システムエンジニアが売り手市場だからといって、企業側がメリットを感じなければ採用されません。
そこで重要なのが、これまでのキャリアを少しでも生かせる転職先を探すことです。たとえキャリアチェンジであったとしても、企業側のメリットをきちんと考えるようにしましょう。キャリアを生かせる転職先が分からない場合は、転職エージェントに相談するのもお勧めです。
システムエンジニアの転職が失敗するケース
1. 年収アップだけを狙う
システムエンジニアの転職理由として、筆頭に挙がるのが「年収アップ」です。しかし、年収アップだけを狙って転職すると、将来的に落とし穴があるかもしれません。
システムエンジニアは人手不足のため、多くの企業で取り合いをしています。そのため、多少スキルや経験が足りなくても、転職して年収アップしやすい状況になっています。しかし、この状況に甘えて年収アップだけを狙った転職を繰り返すと、年齢に応じたスキルや経験がないままキャリアが先細りしてしまう可能性があるため、注意が必要です。
システムエンジニアを名乗りながら、自分ではプログラミングなどがまったくできない、名ばかりエンジニアにはならないようにしましょう。
2. 理想が高過ぎる
いくらシステムエンジニアが売り手市場とはいえ、全ての条件を満たす理想の企業はなかなか見つかりません。そのため、理想は高く持ちながらも、優先順位や妥協できるラインを決めるようにすると良いでしょう。
転職では、給料(月収、ボーナス、インセンティブ、昇給)や、勤務時間(ワークライフバランス)、勤務地(リモートワーク)、仕事内容、キャリアパス、評価制度、教育制度、福利厚生など、考慮すべきさまざまな条件があります。
これらの中で「これだけは譲れない」という条件を明確にすることが重要です。この条件が曖昧なまま転職先を決めてしまうと、入社後に少しでも不満が出たら「他の企業にしておけば良かった」という後悔がつきまとってしまいます。
3. 企業研究ができていない
転職で最も避けたい失敗が「こんなはずじゃなかった」というミスマッチです。ミスマッチは、企業研究ができていないことで起こります。特に前職の職場環境が劣悪な場合、「どこでもいいから早く抜け出したい」と焦って転職先を決めてしまいがちなため注意が必要です。
企業のホームページはもちろん、SNSや口コミサイトなどもチェックしましょう。隣の芝生は青く見えてしまうものなので、ネガティブな意見も含めて幅広く情報収集することが重要です。
そして、情報収集の際に、ぜひ利用していただきたいのが転職エージェントです。転職エージェントは企業の採用担当者と直接つながっているため、表には出てこない情報も得られます。
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コンサルタントは、企業の採用担当者が求めているものを正確に把握しています。そのため、あなたのスキルや経験をどのようにアピールすれば選考に通りやすいかを的確にアドバイスできます。
また、システムエンジニアは転職しやすい状況ではありますが、積極的に条件交渉をするのは難しいものです。しかし、コンサルタントがいれば条件交渉もしやすくなります。
すぐに転職する気はない方でも、キャリア相談をしてキャリアパスを明確にすることは重要です。良きタイミングで転職できるように、お気軽にご相談ください。
まとめ
システムエンジニアの転職のタイミングや成功ポイント、失敗するケースなどを解説しました。
システムエンジニアは売り手市場ですが、キャリアパスを考えずに転職を繰り返すのは得策ではありません。キャリアパスのゴールに向かってスキルや経験を蓄え、市場価値を高めることが重要です。市場価値を高める意識があれば、より良い転職のタイミングが分かり、自分に合った企業を見つけやすくなります。
システムエンジニアの仕事に興味のある方は、ぜひメイテックネクストにお問い合わせください。
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fabcross for エンジニア 編集部
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