3Dプリンターで製造した長距離固体ロケットモーターの飛行試験に成功 米RTX

防衛産業の米RTXは2024年12月18日、傘下の米Raytheonと宇宙スタートアップ企業の米Ursa Majorが3Dプリンターで製造した、長距離能力を備えた固体ロケットモーター(SRM: Solid Rocket Motor)の飛行試験に成功したと発表した。

Raytheonは、低価格で射程距離を延ばす推進機構をアメリカ陸軍に提供することを目的に、Ursa Majorの推進技術を採用した。2023年には、RTX VenturesがUrsa Majorに投資し、新型ロケットモーター技術の開発と国家安全保障要件への対応を支援した。

Ursa Majorは2024年9月、固体ロケットモーターの設計と製造について、アメリカ海軍と1250万ドル(約19億3500万円)の出資契約を結んだ。この契約では、3Dプリンターで複数のモーターを製造する新ソリューション「Lynx」の確立を目指している。

Ursa MajorのCEOであるDan Jablonsky氏によると、同社は積層造形(additive manufacturing)技術を活用することで、モーターの開発、製造、および試験をこれまでにない短期間で完了した。さらに、2024年に約300回の静止燃焼試験を実施した。

RaytheonとUrsa Majorの両社は、設計の安定性と成熟度を証明するためのロケットモーター開発と試験への投資を通じて、新世代のスマート兵器の開発を迅速化する。これにより、低価格の精密誘導兵器に対する米国陸軍の緊急性の高いニーズに応える狙いがある。

同社は次の段階として、製造工程の改善策を講じる。さらに、2025年に追加の飛行試験を実施して、2026年に認定取得を目指す。

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News | RTX’s Raytheon and Ursa Major conduct successful flight test | RTX

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