- 2025-3-19
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- AI(人工知能), AxlCORE-ODL, ML63Q253x-NNNxx, ML63Q255x-NNNxx, Solist-AI, Solist-AI Sim, マイコン, ローム

ロームは2025年3月18日、AI(人工知能)機能を搭載したマイコン「ML63Q253x-NNNxx」および「ML63Q255x-NNNxx」を開発したと発表した。産業機器や家電機器、住宅設備の故障予兆検知に適している。
同製品では、シンプルな3層ニューラルネットワークのアルゴリズムを用いている。ローム独自のオンデバイスAIソリューション「Solist-AI」に対応しており、ネットワークを用いずに単体での学習や推論が可能となっている。
ローム独自のAIアクセラレータ「AxlCORE-ODL」を搭載しており、既存のソフトウェア方式を用いた同社従来品と比較して、AI処理を約1000倍高速化できるという。また、機器を設置した場所での学習が可能なため、既存の機器に後付けできる。
32ビットコア「Arm Cortex-M0+」やCAN FDコントローラ、2ユニットA-Dコンバータ、3相モーター制御PWMを備えた。消費電力は約40mWとなっている。
合計16機種をラインアップに揃える計画で、このうちTQFPパッケージを用いた8機種は2025年2月より順次量産を開始している。サンプル価格は1個あたり3000円(税別)に設定した。中でもメモリーサイズ256Kバイト、テーピング梱包の2機種は、評価ボードとあわせてチップワンストップやコアスタッフオンラインなどで購入可能となっている。
また、同製品の導入前に学習や推論の効果を確認できるAIシミュレーションツール「Solist-AI Sim」をローム公式Webサイトにて公開している。出力データは、同製品における実際の学習データとしても活用できる。
加えて、パートナー企業と連携してエコシステムを構築。モデル開発や導入支援などのサポートを実施する。今後はエコシステムをより強化し、導入手法の提案や学習データの作成サポートなどを実施する計画だ。