- 2025-3-19
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- EAST, ITER, WEST, トカマク型, プラズマ, マイルストーン, 原子力・代替エネルギー庁(CEA), 放射線, 核融合反応, 核融合実験炉, 超伝導コイル

© L. Godart/CEA
フランスの原子力・代替エネルギー庁(CEA)は2025年2月18日、核融合実験炉「WEST」が1337秒(22分17秒)にわたってプラズマの維持に成功したと発表した。中国の核融合実験炉「EAST」はわずか数週間前の1月に、1066秒(17分46秒)という記録を達成した。今回はそれを25.4%上回る世界新記録となる。
WESTは、トカマク型と呼ばれる核融合実験炉だ。高温のプラズマをドーナツ状の磁場に閉じ込めて核融合反応を起こす装置で、長時間のプラズマ維持を可能にする超伝導コイルや冷却部品を備えている。
今回は2MWの加熱電力を投入してプラズマを維持し、温度は5000万度に達した。WESTチームは今後数カ月かけて、核融合プラズマに必要な条件を満たすべく、より高温に加熱し、数時間にわたってプラズマを持続できるように注力する。
この成果は、核融合実験炉「ITER」のような装置で安定した核融合プラズマを数分間維持するための、重要なマイルストーンとなる。自然界では不安定なプラズマを制御し、プラズマと接する部品が故障したり汚染されたりすることなく、放射線に耐えられることを目標としている。