NECは2016年12月16日、離れた場所からでも人の視線の方向をリアルタイムに高い精度で検知可能な「遠隔視線推定技術」を開発したと発表した。監視技術としてだけでなく、マーケティング技術としても活用できる可能性があるという。
今回発表された技術は目頭や目尻、瞳など目の周囲の特徴から、カメラ方向に対する視線の角度を算出し、上下左右5度以内の誤差という高精度で視線を推定できる。低解像度の画像からでも目の特徴を捉えられるため、カメラと対象者が10m離れていても視線の検知が可能だ。
視線の検知には従来、赤外線ライトとカメラが一体となった専用の装置が必要だった。だが、遠隔視線推定技術ではWebカメラ、監視カメラ、タブレット、スマートフォンなど、通常のカメラで撮影された映像からでも、高い精度で視線を検知できる。そのため、専用の装置は不要となる。
視線の算出にかかる時間は、1人当たり1ミリ秒以下。カメラに複数の人物が写っている場合でも、全ての人の視線を同時に測定できる。そのため、デジタルサイネージ上のどのコンテンツが見られているのかを視聴者ごとにリアルタイムで把握する——といった広告効果測定などの用途に利用可能だ。