JFEスチール、超大型コンテナ船向けの高強度鋼設計技術、高効率溶接技術を開発

JFEスチール(JFE)は2017年1月17日、ジャパンマリンユナイテッドと共同で超大型コンテナ船のアレスト性能を向上させる「構造アレスト設計技術」と、鋼板溶接を効率化する「狭開先アーク溶接技術」を開発したこと、さらにJFE独自で「超狭開先アーク溶接技術」を開発したことを発表した。構造アレスト設計技術と狭開先アーク溶接技術は、すでに1万4000TEU級超大型コンテナ船に適用している。

構造アレスト設計技術は、溶接構造物である船体の持つ特徴を活かし、溶接と設計の両面を含めた構造によって船体のアレスト性能を向上させる技術だ。船体の大部分に用いられているすみ肉溶接部において、溶接部の配置や施工法を工夫するとこにより、亀裂の伝播を止めることができる。この技術により、従来より肉厚で高強度の鋼板を使用する超大型コンテナ船の安全性や航行の安定性の向上、船体大型化による貨物積載量増、船体軽量化による燃費効率向上に寄与するという。

狭開先アーク溶接技術は、突き合わせ溶接部でJFEのJ-STAR溶接を活用して、板厚の大きな鋼板を効率的に溶接できるようにした技術だ。突き合わせ溶接では、板厚が大きくなるほど開先の断面積が大きくなり溶接工数が増える。溶接時に飛散するスパッタが少なくアークの指向性にも優れたJ-STAR溶接を用いることで開先の断面積を約2/3にまで狭めることができるために、板厚の大きな鋼板でも従来と同等の工数で溶接ができるようになる。

JFEが独自に開発した超狭開先アーク溶接技術は、狭開先アーク溶接技術をさらに発展させたもの。J-STAR溶接の活用に加えて溶接ノズルを最適化することにより、開先の断面積を約1/3にまで減らすことができる。溶接工数をより効率化することに加えて、溶接熱による鋼板へのダメージを最小限に抑えることができる。この超狭開先アーク溶接技術は、次世代の超大型コンテナ船への適用に向けての実用化開発が進められている。

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