- 2017-6-2
- 化学・素材系, 製品ニュース
- A-USC, NEDO, ニッケル基合金, 先進超々臨界圧火力発電, 新エネルギー・産業技術総合開発機構
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年6月1日、先進超々臨界圧火力発電(A-USC)の早期実用化に向け、700℃級の高温蒸気に耐えられるニッケル(Ni)基合金の信頼性向上を目指した技術開発に着手すると発表した。この成果を活用して、2020年代にA-USCの市場投入を目指すとしている。
火力発電設備の高効率化のためには、蒸気タービンへ投入する蒸気温度を高温化させる必要があるが、超々臨界圧火力発電(USC)は従来型石炭火力発電の中では最高効率で、主蒸気温度は630℃程度が限界といわれている。同社はUSCのさらなる高効率化を目指し、Ni基材料の信頼性向上技術開発を実施。700℃級の主蒸気温度を適用した発電システムであるA-USCの実用化を進める。
Ni基材料はA-USCのボイラ熱交換部や配管、蒸気タービンなどへの適用を想定しており、今後は700℃級の高温蒸気下でのNi基材料の長時間のクリープ疲労試験の実施など、信頼性向上のための試験を実施する。具体的には、大径管クリープ試験装置を用いた実機サイズの配管に対する応力解析や、蒸気タービンの高温箇所へNi基材料を適用する際の異材溶接部の健全性評価などを実施するという。