東京工業大学と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2017年10月5日、作動中の燃料電池内の反応生成液水の挙動をリアルタイム・高解像度で可視化できる技術を、世界で初めて開発したと発表した。
燃料電池は、水素と空気中の酸素(供給ガス)を触媒上で反応させて、水を生成する際に発生するエネルギーを電力に変換する。しかし、生成された液体水は燃料電池内に溜まり酸素の輸送を妨げるため、作動中の燃料電池内の反応生成液水を高解像度で長時間にわたり可視化できる装置が求められていた。
研究グループは今回、軟X線ビームの平行化技術とCMOS検出器を組み合わせた装置を開発。観測用の燃料電池セルにも工夫を加えることで、燃料電池内の生成液水の挙動をµmオーダーの高解像度でリアルタイムに可視化することに成功した。
東工大は、この成果を基に企業などとの共同研究に着手するとしており、燃料電池のさらなる高性能化、高耐久化、低コスト化が期待される。