横浜ゴムは2018年1月24日、縦型空気式防舷材に取り付けたままの状態で安全弁の検査が行える新型口金具を開発し、販売を開始すると発表した。
横浜ゴムは、空気式防舷材やマリンホースなどの海洋商品市場向け製品の生産を行っており、1958年に世界で初めて空気式防舷材の生産販売を開始している。空気式防舷材は、船舶の接岸や接舷に際し、船体や岸壁の損傷防止のため、船と船、船と岸壁の間に浮かせて使用する空気を内包したゴム製の緩衝材で、洋上で原油やLPGなどを移送する2船体間荷役に欠かせない製品。そのうち縦型空気式防舷材は、海中に船体やその一部が深く沈み込んでいる艦船で使用される。
空気式防舷材には、過剰に圧縮された時に内圧の上昇による破裂を防ぐため、内部の空気を放出する安全弁が取り付けられている。従来、安全弁の検査の際は、空気式防舷材を陸揚げし、空気を抜くなどした後、口金具ごと安全弁を取り外して行う必要があり、コストがかかった。
今回開発された口金具は、安全弁検査用の圧力容器を口金具背面に設置。手動バルブを閉じて防舷材本体と口金具の間の空気の通り道を遮断し、防舷材本体を密閉状態にできる。これにより、防舷材を陸揚げしなくても安全弁の検査が可能となり、メンテナンスコストを削減できる。