軽量安価な使い捨てセンサー――カーボンナノチューブとティッシュペーパーを使ったセンサーを開発

ワシントン大学機械工学科准教授のJae-Hyun Chung氏らのグループが2018年2月12日、ティッシュペーパーを利用した、使い捨てのウェアラブルセンサーを開発したと発表した。この研究成果は『Advanced Materials Technologies』に論文「Fracture-Induced Mechanoelectrical Sensitivities of Paper-Based Nanocomposites」として2018年1月26日に発表されている。

研究チームによると、微細空孔を有するセルロース繊維とカーボンナノチューブ(CNT)で構成されるナノ構造複合材料には、エネルギー貯蔵やセンサー、フレキシブルエレクトロニクスの分野に潜在的な可能性を秘めているという。そこで研究チームは、ごく普通のティッシュペーパーにCNTを浸漬させたものを引き裂き、紙の繊維を破断させることでセンサーとして機能するものを作り出した。

張力に対して平行なセルロース繊維は破断し、張力対して斜めあるいは垂直な繊維は亀裂の近傍にクロスバー接合を形成するように再構成され、この接合部は圧縮による面外の力に対する抵抗性および容量性の感度を示すという。この圧電抵抗性/圧電容量性の感度を利用して、人間の動きをモニタリングするというものだ。Chung氏によると、このティッシュペーパーを使った使い捨てセンサーは、心拍や指の力、指の動き、眼球の動きなどをモニターできるという。

研究チームは、このセンサー技術はヘルスケア、エンターテイメント、ロボット工学に応用できるとし、2017年12月に仮特許を申請、商業的利用への準備を進めている。

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Tissue paper sensors show promise for health care, entertainment, robotics

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