香港城市大学などがつくる研究グループは2018年3月、充電可能で防水性と柔軟性を兼ね備えた糸状の電池を開発したと発表した。この電池は、切り刻んだ後も機能することを確認できたという。
1次元状のファイバーや糸は、小さくて柔軟、軽量という性質がある。そのために変形可能で耐久性があり、着用可能なデバイスの材料として期待されている。
すでにいくつかの先行研究が存在し、1次元状のファイバーをつなげてアルカリマンガン(Zn-MnO2)電池を作ることには成功していた。しかし、その多くは容量が小さく、充電が不可能という問題点があった。
同研究グループは糸の中に、DNAの2重螺旋構造のようにねじったカーボンナノチューブを入れた。そして、一方はアノードとして亜鉛を、もう一方はカソードとして酸化マグネシウムをコーティング。それからカーボンナノチューブを電解質のポリアクリルアミドで覆い、最後にシリコンで包んだ。
そして実験してみたところ、電池が安定で大きな電気容量を持つこと、充電可能であること、防水性を持つことが確かめられた。
さらに、糸を編んだり伸ばしたりすることにも成功した。また、8つに切り分けられた糸をつなげたところ、100個のLEDとエレクトロルミネサンスを発光させることができたという。