- 2018-6-25
- 化学・素材系, 技術ニュース, 海外ニュース
- Fabien Sorin, Oliver Brock, エラストマー, スイス連邦工科大学ローザンヌ校, スマート衣料(導電性のある素材を用い、心拍数や姿勢などの生体情報を収集する衣料), ナノコンポジットポリマー, ベルリン工科大学ロボティックス・バイオロジー研究所
スイス連邦工科大学ローザンヌ校は、細く、弾力性があり、電極やナノコンポジットポリマーなどを埋め込むことのできる繊維を開発した。この繊維はエラストマーでできており、光ファイバーと同じ熱延伸加工で作られている。5倍まで引き延ばしても元に戻る弾力性があり、わずかな圧力や歪みを検出することができるという。この繊維は、スマート衣料(導電性のある素材を用い、心拍数や姿勢などの生体情報を収集する衣料)や、ロボット用の人工神経などへの応用が考えられている。
研究チームは、ベルリン工科大学ロボティックス・バイオロジー研究所のOliver Brock博士と共同で、この繊維で作った人工神経をロボットの指に組み込んだところ、この繊維製の電極は、指が何かに触れると触覚に関する情報を送ることができた。
また、研究チームは目の粗いメッシュの衣類にこの繊維を編み込み、圧縮と伸長を検出する試験も行った。繊維を開発したフォトニック材料・ファイバーデバイス研究室のFabien Sorin助教授は、「我々の技術を使えは、例えば衣類に直接組み込まれたタッチキーボードを開発することができる。」と述べている。特に熱延伸加工は容易に大量生産できるプロセスであり、幅広い分野への応用が期待されている。