矢野経済研究所は2018年6月20日、2017年の機械系CAE世界市場調査の概要と、市場の将来展望を発表した。製造業の強気な設備投資がCAE市場にも好影響を及ぼして市場は好調であり、今後も安定的な成長が見込まれるという。
調査結果によると、2017年の機械系CAE世界市場規模(事業者売上高ベース)は3365百万USドルで、前年比6.7%増となった。好調な経済環境を背景に、全世界の製造業が強気な設備投資を継続しているため、CAE市場もきわめて好調に推移している。
また、機械系CAE市場における注目のトピックとして、オープンソースソフトウェアの利用が進んでいることを挙げる。今後、CAEメーカーやCAEベンダーにとっては、ライセンスからサービスにビジネスの主体が移行すると見込む。さらに、クラウドコンピューティングを基本としたプラットフォームへの移行、その結果としてSaaSへの対応など、新しいビジネスモデルへの対応が求められているとしている。
市場の将来展望としては、2018年の世界市場規模は前年比8.2%増の3640百万USドルで、以降中期的にも安定的な成長を続け、2020年には4400百万USドルになると予測する。しかし、機械系CAEは成熟化しており、2020年以降は成長率が徐々に鈍化すると予想している。
なお今回の調査は、機械系CAEメーカー33社、数値解析メーカー3社、バイオロジクス・計算化学メーカー6社を対象に2018年1月〜5月に行われ、結果は「CAE市場の実態と展望 2018」としてまとめられている。今回その調査結果から機械系CAE(構造解析や熱流体解析、樹脂成形解析、鋳造解析など)についての概要を発表したものだ。