三菱日立パワーシステムズ、最新型強制空冷式ガスタービンの運転時間8000時間を突破

J形ガスタービン

三菱日立パワーシステムズは2018年6月25日、同社の主力ガスタービンJ形の最新機種、強制空冷式のJAC(J-series Air-Cooled)形が、ガスタービンコンバインドサイクル発電で、運転時間8000時間を突破したことを発表した。

運転は同社高砂工場内の実証設備複合サイクル発電所において行われた。同社によると、8000時間の運転時間はガスタービンの機種として信頼性を示す1つの指標となるものだという。

2015年春に同発電所の強制空冷技術を含めたシステム全体の検証試験を完了し、同年から運転を継続、現在の8000時間を超える運転時間に至った。

今回対象の強制空冷システムは、国家プロジェクトとして1700℃級の超高温ガスタービンの要素開発に取り組んだ成果を活用して、タービン入口温度1600℃の高効率を達成した後、さらに高効率と運用改善を目標にして、東北電力との共同研究によって蒸気による燃焼冷却の代替として搭載した冷却システムだ。

強制空冷システムは、燃焼器車室から抽出した空気を外部クーラーで冷却して、強制冷却空気圧縮機で昇圧。燃焼器の冷却に使用した後に再度車室に戻す系統だ。外部クーラーの排熱を、排熱回収ボイラーや蒸気タービンなどのボトミングサイクル側で回収させることによって効率を向上させた。また、燃焼器冷却構造を最適化することで、蒸気冷却よりも高い冷却性能を発揮する。さらに、蒸気冷却と比較して発電システム全体の起動時間が短縮できるという。

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