EV用モーターのローター形状を、AIを用いたトポロジー最適化手法で自動設計するプログラムを開発 明電舎と北大

明電舎は2018年10月31日、北海道大学と共同で、AIを用いたトポロジー最適化手法によるEV用モーターの設計支援プログラムを開発したと発表した。

電気自動車(EV)で多く使われるPMモーターの内部には、永久磁石が埋め込まれている。しかし、永久磁石の位置を決める、つまりモーターを設計する場合には、設計者の経験やシミュレーション及び実験データを基にする必要があった。

そこで、明電舎は今回、AIを用いたトポロジー最適化手法(NGnet法)を確立するとともに、実際にモーター設計へ適用した場合の有効性を確認した。それにより、従来の空隙ができてしまう、形状が細かく分かれてしまう現象が防止され、永久磁石が一体となった実用に耐える形状が得られるようなった。さらに、モーターの主要な特性であるトルクやトルクリップルだけではなく、モーター設計時に必要なエネルギー損失や強度も考慮。自動でローターの最適形状を得ることが可能になった。

また、複雑な最適形状から製作可能な形状にするためには手直しが必要になるが、これまでは、修正する際に形状の変更がどの程度モーター特性に影響するのかが分からなかった。そこで、変更してはいけない部分と、変更してよい部分を、設計者に分かるように可視化できるシステムを開発し、形状の修正を容易にした。

今回開発した設計プログラムはAIを用いているため、従来は人では想像し得なかった形状を得ることが可能となり、さらに性能のよいモーターを設計出来る可能性があるという。また、設計したいモーター特性の目標値や条件を設定するだけで最適な形状を得ることが可能となるため、乗り心地の向上や騒音の低減、省エネ化向上など、顧客の要望に合ったEV用モーターを提供できるようにになるとしている。

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