- 2019-3-2
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- 3Dプリント, Calor, Prime, SLM Solutions, Surrey Satellite Technology, オーベックス, サザーランド宇宙港, バイオプロパン(BioLPG)
イギリスのロケットメーカーであるオーベックスが、3Dプリンティング技術で製造されたものとしては世界最大規模のエンジンを積む2段式ロケット「Prime」のプロトタイプを公開した。
同社が開発中のPrimeは、小型衛星を地球の軌道上に運ぶために設計されたロケットだ。特別仕様の軽いカーボンファイバーとアルミニウムのコンポジット製で、世界最大規模の3Dプリント製エンジンを搭載している。
3Dプリントによる製造ソリューションを提供するSLM Solutionsの協力のもと制作された3Dプリント製エンジンは、その工法の特徴を生かして一体成型されている。これにより、宇宙飛行時に加えられる極端な温度変化や圧力変動によって生じる接合や溶接部に関する弱点を克服している。また、従来の小型ロケットと比較して30%軽く、20%効率的である。さらにその燃料はパートナー企業のCalorから提供されるバイオプロパン(BioLPG)と呼ばれる再生可能な燃料で、従来の化石燃料に比べ炭素排出量を90%削減できるという。
オーベックスは、2021年にスコットランドのハイランド地方にあるサザーランド宇宙港から、イギリスのSurrey Satellite Technologyの実験衛星を搭載したPrimeの処女飛行を計画している。