ペロブスカイト青色発光ダイオードを発明――結晶構造の変化による変色も確認

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カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)の研究チームが、安価で製造が容易なペロブスカイトを用いた青色発光ダイオードを開発した。グラフェン製作でも使われる粘着性テープによる剥離法により、青色を発光する2次元単結晶の作成に成功したもので、研究成果は2020年1月24日の『Science Advances』誌に公開されている。

一方で、作動中の温度上昇に伴う性能劣化は、本質的な問題として残されているが、その原因が解明され、ペロブスカイト系デバイスにおける熱管理の重要性が明確になった。

窒化ガリウム(GaN)を用いた青色発光ダイオードは、中村修二博士たち3人の日本人により開発され、2014年のノーベル物理学賞に輝いた。一方、ペロブスカイト薄膜を用いた高効率の太陽電池が、2009年に宮坂力博士により提案された。ペロブスカイトは原料が安価であるとともに、溶液からスピンコート法などにより簡単に作成できることから、ペロブスカイトを用いたデバイスの研究開発が活発に行われるようになった。

ペロブスカイトの発光ダイオードについても研究が進み、これまでに赤色と緑色のダイオードが実証されているが、青色については未だ成功していない。研究チームを指導する材料科学工学科のPeidong Yang教授によれば、標準的な薄膜結晶成長法では、様々な波長を発光する結晶の混合構造が生成し、電子がバンドギャップ最小の結晶に遷移して発光するので、赤色側にシフトする傾向があり、純粋な青色が得られないという課題がある。

今回研究チームは、2Dグラフェン薄膜の製作プロセスで使われる粘着テープによる剥離法により、均質な2Dペロブスカイト結晶を作成することにチャレンジした。セシウムと鉛、臭素から構成される2Dハロゲン化ペロブスカイト薄膜を作成し、回路に組み込んだところ、青色を発光させることに成功した。この青色の波長は、有機分子層によって互いに分離されている、八面体結晶ペロブスカイト層の数によって決定されるという。

ところが、この2Dハロゲン化ペロブスカイト薄膜による青色発光ダイオードは、半導体の通常動作温度である室温(約300K)から450Kまで加熱すると、発光も青色から青緑色に変化することがわかった。X線解析の結果、八面体結晶構造が熱によって膨張し、直方晶系または正方晶系構造に変化するためだと判明した。

Yang教授は、ペロブスカイト系ダイオードを用いたデバイスでは、作動中の熱管理が重要だとするとともに、逆の視点から、波長が温度や湿度など周囲環境に伴って変化することを、積極的に利用したセンサーや光半導体など、新たな応用法も考えるべきだとしている。標準的な半導体の応用範囲を超えて、全く新しい利用法が生まれる可能性を秘めた発見といえるだろう。

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Blue diode illustrates limitations, promise of perovskite semiconductors

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