大日本印刷(DNP)は2019年5月17日、通信用の高感度なアンテナとして、線幅1µmの金属メッシュをフィルム形状にした「超微細金属メッシュ配線フィルム」を開発したと発表した。透明なフィルムに配線を組み込んでおり、5G対応のスマートフォンの表示画面にも貼付できるため、機器の高機能化と小型化に貢献する。
DNPによると、5G対応のスマートフォンは小型化と高機能化が同時に求められるため、5G対応アンテナの格納スペースを機内に確保するのは難しいという。そこで同社は、ディスプレーに貼付しても、画面の見え方を損なわずに、アンテナとして機能する透明な超微細配線フィルムを開発した。
超微細金属メッシュ配線フィルムでは、線幅が縦横各1μm以下の超微細パターンを形成。そのため、配線は目視では確認できず、画面の視認性を損なわない。配線には、他の金属に比べてシート抵抗が低い銅を使用したため、1μmの超微細な線幅でも、アンテナに適したシート抵抗(2Ω/□)を実現できる。
DNPは、「超微細金属メッシュ配線フィルムは、現行のスマートフォンのアンテナと同等レベルの性能を実現する」としている。