富士経済は2019年6月17日、中国の産業用ロボット市場調査結果を発表した。それによると、2018年の同市場規模は3705億円で、2025年にはその2.7倍となる9838億円に成長すると予測している。
中国の産業用ロボット市場は、これまで自動車製造向けの溶接/塗装系が主に市場をけん引してきた。近年は人手不足や人件費高騰などを背景に、それ以外の組立/搬送系でも伸びを示している。
市場全体では2018年後半から設備投資の抑制によって一時的に伸びが鈍化したが、2019年後半には設備投資が回復し、堅調に市場が拡大すると予測する。
カテゴリー別では、今後は組立/搬送系のスカラロボットや小型垂直多関節ロボットなどの伸びが市場拡大をけん引していくと見ている。これまで市場を支えてきた溶接/塗装系も2019年以降のEV向けなどの設備投資増強を背景に、堅調な需要が予測される。
フラットパネルディスプレイ(FPD)メーカーの影響を大きく受けるガラス基板搬送ロボットは、FPD供給過多傾向などの影響で設備投資が低調で、本格的な回復は2021年以降となると予測する。
2018年後半に急激に需要が落ち込んだウエハー搬送ロボットは、2019年末頃から需要が回復。また同じくスマートフォン関連設備投資の縮小や米中貿易摩擦の影響で2018年後半に需要が落ち込んだアクチュエーター系も、2019年以降には堅調な伸びが期待されるという。