- 2016-6-1
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- BOCCO, iDoll, necomimi, Neurowear, コミュニケーションロボット, ユカイ工学, 青木俊介
「コミュニケーションロボット」をテーマに開発しているユカイ工学。同社のロボットは、機能がシンプルで、操作は簡単、ちょっとほほえんでしまうようなデザインのものばかりだ。CEOの青木俊介氏は、東京大学在学中からソフトウエアを開発する会社を立ち上げ、その後、子どものころから目指していたロボット作りを仕事にしている。コミュニケーションロボットが「一家に1台」になる日も、近いのかもしれない。(執筆:杉本恭子 撮影:水戸秀一)
コミュニケーションロボットを普及させたい
――貴社のテーマは「ロボティクスで世の中をユカイにする」ですね。具体的にはどのようなことを目指しているのですか。
現在は、ロボット掃除機などがある程度普及してきて、実生活で役立てられています。ですが、人とコミュニケーションできるロボットは、ホビー用、あるいは研究目的の高価なものが中心で、実用的なものはまだまだ普及していません。
私たちは、世の中で普通に使われるロボットを生み出したいと思っています。実用的なコミュニケーションロボットを普及させるのが最大の目標です。
――「世の中をユカイにする」ロボットを、いくつか紹介していただけますか。
例えば「necomimi(ネコミミ)」は、脳波を測定するセンサを使用したコミュニケーションツールです。Neurowear(ニューロウェア)というプロジェクトチームが企画したもので、当社はアイデアの段階から、デザイン、設計までお手伝いしました。展示会や動画サイトで人気が出て、2012年4月から販売されています。
necomimiは猫の耳の形をしたカチューシャになっていて、頭に付けると脳波に反応して耳が動きます。当時は脳波のセンサ自体が珍しかったので、どうしたら面白く見せられるかと考えました。カチューシャの他にも帽子など、いくつかの形を試作した上で猫の耳の形をしたカチューシャに決まりました。
もうひとつの例としては、スマートフォンのアプリと連動して、家にいる家族と気軽にコミュニケーションを取れるロボット「BOCCO」があります。アプリで録音した音声や、テキストメッセージを送ると、BOCCOが読み上げてくれます。BOCCOにも録音機能があり、音声で返事を送ることができます。
働き盛りの世代はスマホがあれば何でもできてしまいますが、小さい子どもやお年寄りなど、スマホを使わない人たちにも優しいインターフェースとして開発しました。
「自分もユーザーである」ことでいい製品ができる
――いろいろなアイデアがあると思いますが、どのような点を重要視して製品化するのですか。
「自分たちがユーザーである」ことが重要だと思っています。特に私たちのように小さい会社では、自分たちとまったく関係のない第三者のニーズを調査し、彼らの生活をイメージしながら作るのは、ものすごく労力が掛かります。自分たちも生活の中で使えるようなものでないと、いい製品にしていくのは難しいのです。
――例えばBOCCOの場合は。
私の家は共働きで、日中は家にいません。子どもたちとコミュニケーションを取りづらいですし、子どもたちも寂しいだろうと思うので、何かいい方法はないかなと考えていました。
「外出先から子どもが帰ってきた時間が分かるだけでもうれしい」というお母さん方の声は、結構耳にしていました。そこでそうした声をヒントに、付属のセンサで玄関の開閉を感知して、アプリに通知する機能も実装しました。