昭和電工は2020年7月14日、半導体デバイス等の放熱フィラー用に高耐湿で高熱伝導の窒化アルミニウムフィラーを開発したと発表した。既にサンプル提供を開始しており、2023年の量産開始を計画している。
窒化アルミニウムは、高い絶縁性やアルミナの約6倍の熱伝導率、シリコンと同程度の熱膨張係数、半導体製造時に使用される塩素系ガスに対する高い耐性など、半導体デバイス等の放熱フィラー用として優れた特性を有する。一方で、水分が付着することにより加水分解を起こし、腐食性のアンモニアを生じることが課題となっていた。
そこで同社は、窒化アルミニウムの表面に極薄膜による独自の表面処理を施すことで、樹脂充填時の熱伝導率を低下させることなくアンモニアの発生を1万分の1に低減させることに成功した。
平均粒子径2μm〜72μmの粒度分布の異なる5種類のグレードをラインアップに揃えており、複数のグレードを配合することで柔軟性の高い高放熱シートの製造が可能となっている。